シェア

ヤマスル

ヤマスル

それ、実は危険かも?登山初心者がやりがちな「NG行動」10選

山のコラム | 2026/3/22 | 2026/3/22 | 7


​山のルールは「自分を守るため」、そして「山の環境を守るため」に存在します。ベテラン登山者もかつては初心者でしたが、事前に知識を持っておくことで、防げるトラブルや回避できるリスクは劇的に増えます。
今回は、安全に、そしてスマートに山を楽しむために知っておきたい「登山初心者がやりがちなNG行動10選」を深掘りして解説します。自然の美しさの裏に潜む、知らなかったでは済まされない鉄則をチェックして、あなたの登山偏差値をアップデートしましょう。

​1. 計画と準備のNG:命運を分ける「スタート前」

① 出発時間が遅すぎる
「標高が低いから」「少し歩くだけだから」という油断は禁物です。山の午後は天候が急変しやすく、樹林帯は街よりも早く暗闇に包まれます。道に迷った際、暗闇はパニックを招き、滑落や遭難のリスクを跳ね上げます。
「早出早着」。午前中の早い時間から登り始め、15時までには下山(または目的地に到着)するのが理想です。


② 装備が「綿(コットン)」100%
普段着のTシャツやジーンズ、綿の靴下は登山では「命取り」になりかねません。綿は汗を吸うと乾きにくく、濡れた生地が肌から体温を奪い続けます。これが夏場でも起こる「低体温症」の最大の原因です。
化繊(ポリエステル)やメリノウールなど、速乾性・透湿性のある素材を必ず選びましょう。

2. 山道でのNG:判断ミスが招く「詰み」の状態

③ 迷ったときに「下る」
道がわからなくなったとき、つい「下れば里に出られる」と思いがちですが、これは絶対NGです。
沢へ下りると滝や崖に突き当たり、進むことも戻ることもできない「詰み」の状態になります。迷ったら「登る」。視界が開け、現在地を把握しやすく、電波も届きやすい「尾根(高い場所)」を目指すのが生存戦略の基本です。


④ 休憩のたびに座り込んでしまう
疲れるとすぐに腰を下ろしたくなりますが、実は身体への負担を増やすことがあります。
一度座り込むと心拍数が下がりすぎ、冷えた筋肉を再始動させるのに余計なエネルギーを消費します。「立ったままの小休止」をこまめに取りましょう。ザックを岩や木に預けて荷重を逃がす程度に留めるのが、一定のペースを維持するコツです。

3. マナーと環境のNG:山の未来を壊さないために

⑤ 登山道を外れて歩く
「こっちの方が近道そう」「綺麗な花を近くで撮りたい」と道を外れるのは厳禁です。
貴重な高山植物を踏み潰すだけでなく、浮石や崩れやすい斜面に足を踏み入れることで滑落の直接的な原因になります。どんなに歩きにくくても、整備された登山道を決して外れないようにしましょう。


⑥ 生ゴミや汁物を捨てる
「バナナの皮やカップ麺の汁くらい、土に還るだろう」というのは大きな誤解です。
塩分を多く含む人の食べ物は、特に高山の低温下では分解が進まず、そのまま残ります。また、人の食べ物の味を覚えた野生動物が人里に降りてくる原因になり、生態系を深刻に破壊します。「持ち込んだものはすべて持ち帰る」。スープの残り汁は凝固剤で固めて持ち帰るか、飲み干すのが基本です。

5. 周囲への配慮のNG:スマートな登山者の流儀

⑨ 挨拶をしない・道を譲らない
山での「こんにちは」は単なるマナーではありません。
挨拶は「この時間にこの辺りに人がいた」という重要な生存確認の意味も持ちます。また、無理な離合は滑落事故を誘発します。
「登り優先」。下りの人は、広い場所で立ち止まって登りの人に道を譲るのがスマートな山のルールです。


⑩ 大声で騒ぐ・スピーカーで音楽を流す
大自然の静寂を楽しみに来ている人がたくさんいます。
周囲を不快にさせるだけでなく、落石や野生動物の接近、遠くからの救助要請といった「重要な音のサイン」をかき消してしまいます。「静かに歩く」。イヤホンをする場合も、周囲の異変に気づける音量に留めましょう。

​最後に:失敗を糧に「スマートな登山者」へ

​誰でも最初は初心者です。大切なのは、これらのNG行動を知識として持ち、次回の山行で一つずつ意識すること。
​「今日はスマートに道を譲れた!」「早出早着を完璧に守れた!」という小さな成功の積み重ねが、あなたをより安全で、周囲からも信頼される「かっこいい登山者」へと成長させてくれます。

あわせて読みたい

他のカテゴリーの人気記事